All Those Years Ago

とくに年末だからといって今年を振り返る的な記事は書かないけど、今年嬉しかったひとつの出来事を年内に書き残しておきたい。それは西友でジョージの「過ぎ去りし日々」がかかったこと。自分が西友BGMの選曲に注目し始めたのは2015年の初頭ぐらいだと思うけど、全ジ連としてジョージの曲がかかるのをずっと心待ちにしていた。デヴィッド・ボウイ、XTC、マシュー・スウィート、TFC、レモンヘッズ、その他諸々、西友の店内BGMで全俺が泣いたこと数知れず。そのすばらしい選曲にジョージの曲が入っていてもまったく違和感はなかったのである。必ずいつかジョージが来ると確信していた。そのうちジョンもポールもかかったけど、ジョージの出番はなかなか訪れず。2015年からかれこれ3年待って、今年の春にようやく実現したのである。BGMプレイリストに「All Those Years Ago」が入っているのを見付けたときは心から嬉しかった。しかも、ダークホース期からの選曲というのがほんとに期待どおりで最高だった。もちろん、店内で鳴り響くジョージを聴きにいつもより多めに西友に足を運び、いつもより多めに買い物をした。 なぜ西友BGMでジョージ曲がかかるのをそんなに待望していたかというと、西友という場には年齢、地域、趣味嗜好を問わずあらゆる人々が集まって、買い物という日常のひとときを過ごす場だから。自分がいま住んでいるのは信州の小さな市で、西友の店内では近所の顔見知りにたびたび出くわしたりする。そういう地域密着の日常的な場で、ふだん…

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ブライアン・ジョーンズのスライドギター

ビートルズに最高潮に熱を上げていた中学生の頃、ビートルズや同時代の英国バンドがBBCに残したスタジオライブを2週間ぐらいにわたって大量にオンエアする番組がNHK-FMで放送されて、もちろんビートルズ目当てで毎日ラジカセにかじりつき、数本のテープに録音した。そこでストーンズ、キンクス、フーといった60年代英国ロックと出会うことになって、音楽の世界が少しずつビートルズからその周辺に広がっていった。後年、当時の演奏がそれぞれのバンドの「BBCライブ」アルバムとして徐々に公式CD化されていき、中学生の頃にあのラジカセで録音した演奏と再会できたのである。 ストーンズのBBCライブ、ビートルズと並ぶ大本命なのになかなかCD化されず、やっと去年になって「On Air」として公式に出た。まだCDは買ってないんだけどSpotifyで聴ける。こうやってライブ音源を聴くと、キースとブライアン、両ギタリストの役割分担があらためて気になってきて、色々調べたくなる。ブライアンがスライドギターの名手だったことはよく知られているし、「Little Red Rooster」とか聴けばよくわかる。マリンバやシタール、サックスなど色々な楽器をこなして多彩な才能を持っていたことも知ってるけど、それがストーンズの音楽的本質とどう関係があるのか自分にはいまひとつ見えづらくて、ブライアンって結局何だったんだろう、と長年の謎だった。BBCライブを聴いていると、やはりブライアン、非常に特異な個性を持ったギタリスト。「Satisfaction…

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Elliott Smith「XO」

エリオット・スミスとの出会いの場は渋谷センター街にあったHMVだった。「XO」が発表された1998年当時、その店でオススメの新譜として試聴機にかけられていて、店員コメントを読みながら軽く試聴して、良さそうなので買って帰った。自部屋であらためて1曲目の「Sweet Adeline」をかけた。繊細な指弾きのギター、神経質そうな歌。抑えたトーンでしばらく曲は進み、終始こういうアコースティック弾き語りでしっとりまとめたアルバムなのかな、と思い始めたところで曲が急展開。ピアノ、ドラム、めくるめく転調を繰り返すコード進行、天から降ってくるような旋律のコーラス。バンドサウンドのまま最初のテーマに戻る。このへんでもう脳天からひっくり返るような衝撃を受けたのを今でもまざまざと思い出せる。ほかの曲もすべて美しい名曲で、紛れもない傑作中の傑作。これは後々まで愛聴する作品になると最初から確信していたし、実際そうなっている。90年代に聴きまくっていた音楽、たとえばニルヴァーナやベックを今になって頻繁に聴くことはなくなったけど、エリオット・スミスの音は今でも身近な日常の一部になっている。初めて「XO」と出会ったのが98年の秋~冬頃で、いまは2018年の冬。この記事を書き始めたときは意識していなかったが、気づかない間にちょうど20年経っていた。 新宿リキッドルームでの来日公演も観た。正確な年月は忘れたけどネットで調べると2000年12月のことらしい。エリオットひとりがステージに立ち、終始ギター弾き語りのみ。肝心のエリオッ…

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