ウォークマンの思い出

中高生だった頃の自分は外見上の問題を抱えていた。そのことでかなりつらい思いをした。とくに中学生の年頃、幼児と大人が入り交じる時期の人間は一番残酷だと今でも思う。外見に限らずさまざまなことで、遠慮のない悪意に長期間さらされた。そのことはどうしたって後からは取り返しがつかない。とっくに過ぎてしまった10代を生き直すことはできないのだ。10代を楽しめずに成長した今の自分にできるのは、当時の自分を否定したり無視したりせずにそのまま受け入れ、今を楽しく幸せに生きることである。結構うまくやっていると思う。中年になってから問題行動を起こす人は、若いうちにしか楽しめないことを十分に経験せずに成長したから、埋め合わせをしようとしているのだ、なんていう言説を見かけたこともある。そんな風に、若さを楽しめなかった人間は大人になってもばかにされて遠ざけられるわけか、はいはい、と思ったが、有り難いことに自分は大した問題行動をやらかさなくても十分幸せに生きている。 10代の頃、大きな救いになったのは、父が持っていたウォークマンだった。まさに上の写真と同じ機種、この形、この色。父は新しもの好きなところがあり、80年代初頭からパソコンを買ったり、ウォークマンを持っていたりしたが、父がパソコンをいじる姿、ウォークマンを携帯して外出する姿、いずれもまったく記憶にない。パソコンもウォークマンも自分が勝手に我が物にして、徹底的に使い倒した。当時、自分と同じ年頃の人はみな自分の悪口を言っていると思い込んでいたので、外に出て電車…

続きを読む