Year of the RAT (will be here again)

自分は子年生まれ。来年でとうとう4周である。ということは、もう一周すると還暦ということになる。還暦か……いや、さすがにまだそこまで思いを致すのは早すぎるのだが、自分は色々と無駄に先回りして心配する性格である。まあ干支一回り先のことは置いとくとして、目下の問題としては、とにかく寒すぎる。今朝は氷点下4度、元旦には氷点下6度まで下がる予報。何をするにも氷の冷たさを乗り越えなければならず、気力が出ない。近ごろは冬眠のことをよく思う。何も活動せず、何も思わず、何も消費せず、暖かくなって花が咲き始める春まで眠れたらどんなにいいだろう。身体も動かさず、感情も動かさず、物も動かさず。もちろん当ブログも春まで長期休載。 先日カワセミがいた池、昨日の朝は結氷 しかし冬眠制を採用していない人類として生まれたからには、凍りつく冬の間も生活費を稼ぎつつ何だかんだと活動していかなければならない。クリスマスになっても首を絞められながら年内に納めるべきものは何とか納めたが、年越しの案件もあり、近年にしては珍しく来年の2月までスケジュールが入っている。有り難いことだ。暮れ正月、世間と一緒に休んだところで、やりたいことなど今は何ひとつ思いつかないし、正月休みが明けてもやること何もないかも、と漠然とした不安感に苛まれながらぼんやりしているぐらいなら、暮れ正月も仕事をしている方が全然ましである。 今年も例年と同じように、帰省ラッシュのニュースを横目で見ながら、年末つまんね、と回文を独りごちつつ、しんとした気持ちで…

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インド日記2007年12月:タブラ試験

インド在住当時は音楽学校に通ってインド古典音楽の打楽器タブラを習っていた。タブラはインド古典以外でもビートルズの「Within You, Without You」をはじめ色々な音楽に使われているし、最近は日本でもわりと知られるようになってきたようだ。学校に通っていた頃、年末は進級試験のシーズンで練習や暗記に忙しかった。とはいえ、自分が学んだのは基本知識程度で、ちゃんとした演奏や伴奏ができるようなレベルには到底及ばないまま半端に終わってしまった。本来なら、師匠について真剣な修練を積んだ者だけがやっと入口に立てるインド古典音楽の世界。自分は外から見学した程度だったけど、その道の名人たちの演奏を目の前で見たり、教わったり、かけがえのない体験をたくさんさせてもらった。できることなら、いつかまた続きができればと思っている。 音楽学校でインド古典音楽に使う太鼓「タブラ」の勉強をしている。今年はついに、タブラの進級試験を受けることになった。どんなことをやるのかというと、とにかくカイダというのを暗記しなければならない。カイダとはあらかじめ決まったタブラ独奏曲で、それぞれのテーマに沿って徐々に変奏しながら8~10とおりぐらいのパターンを次々に演奏していく。この一年ちょっと、タブラの授業では先生からひたすらこのカイダを教わって、ノートに取って練習していた。例えばカイダのテーマはこんな感じ。 ダティタダティタダダティタダゲティナキナ タティタタティタタタティタダゲディナギナ 何かの呪文みたいだが、この「ダ」…

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ジョージ・ハリスン帝国の謎

「Extra Texture」の邦題がなぜ「ジョージ・ハリスン帝国」なのか。少なくともネット上でこの謎に答えてくれる情報にはいまだにお目にかかったことがない。考え始めるとしばらく考え込んでしまうトピックで、クリスマスイブの昨晩も布団の中で寝付くまでこのことをずっと考えていた。原題の「Extra Texture (Read All About It)」は、新聞の号外を売り歩くときのかけ声「Extra! Extra!」をもじったものであることは周知である。この「号外!号外!」をもじった「極上の質感」という原題の意図も今ひとつわからないのだが、アナログ盤のジャケットにバスケットボールみたいなでこぼこした手触りの加工がしてあるのは、アルバムタイトルをさらにひねったジョージ流の駄洒落なんじゃないかと自分は思っている。つまり、「Extra Texture」は「余計な表面加工」という意味にも取れるのだ。ジャケットに要らないテクスチャーを付けてみました、みたいな。 ジョージに「帝国」という言葉はいかにもふさわしくない。ジョージの名を冠した帝国があるのなら、もちろん帝王はジョージなのだろう。「スライドギターの帝王」「慈愛の帝王」「庭とお日様ソングの帝王」……書いててアホらしくなるほど似合わない。ジョージに似合う称号は、押し出しの強すぎる「帝王」よりは圧倒的に「第三の男」なのである。あまりにも意味不明すぎて非難の声もよく見かける邦題だが、自分は決して嫌いではない。背後の意図が読めない不思議さは、原題に共…

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