TFCライブでのデイヴの姿を思い出して

先日のライブレポートでは、その場にいないジェリーの姿が「ジェリーの形をした点線のシルエット」に見えたと書いた。実際にそう見えたのだ。あの記事には当日その場で自分が見たこと感じたことしか書いてない。デイヴはその欠落したジェリーという存在の隣に寄り添って黙々とベースを弾いていた。ジェリーの前に立ちはだかったりは決してせずに。バンド編成上、ジェリーの代役を務める形になったデイヴだけど、今度からは俺がジェリーだ、俺を見てくれ、という態度を彼は一切取らなかった。ジェリーの立ち位置に立ってはいたが、ステージ上ではミュージシャンエゴを一切出さずに、ジェリーの場所をしっかりと空けて、あくまでベーシストに徹した。そこにデイヴの誠実さが強く感じられて、あのライブで泣けた大きなポイントのひとつだった。デイヴだってジェリーの立ち位置に立ってベースを弾くなんて役目、つらかったんじゃないだろうか。TFCはどこかのそこそこ有名なバンドから歌えるベーシストを引き抜いて、ジェリーの後釜に据えて、ジェリー曲を歌わせることだってできただろう。でもそんなこと絶対やってほしくないし、TFCは絶対にやらない。そこがファンとして信頼できるところであり、そんなTFCに信頼されたデイヴがベーシスト役を任され、デイヴはしっかり誠実にそれに応えた。そのすべてが完璧に美しかった!ジェリーの不在をごまかしたり、なかったことにしたりせず、あくまで正面から不在を受け入れ、それもバンドの一部にして、前に進むことにした。30年以上活動を積み重ねてきた強さ、自信、才能、そして誠実さ、そのすべてをあの夜のTFCと、デイヴ、エイロスは目の前で見せてくれた。

ぼちぼち日常に戻りつつはあるが、まだまだTFCのことはたくさん考えている。さらに、ライブのあと実家に泊まらせてもらったときの両親との会話や、自分のルーツや、曾祖父のことなど、あの夜は自分の今後に影響しそうな大事なものを色々と持ち帰ってきた。これらのことは時間をかけて少しずつ自分の中に落とし込んでいきたい。

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