昨日は明日だった今日が明日には昨日になる

年末年始、苦手とはいえ日本で暮らす日本人としてはどうしてもスルーできない。暮れ正月らしいことをしなければいけない気分になるし、自然とそんな成り行きになる。大晦日には、猫2匹の容赦ない突撃でボロボロにされてしまった障子の張り替えをした。年末にでもならなければ決してやる気にならない、何年かに一度しかしない作業である。まったく要領よく進まず、障子をダメにした張本人の猫からも作業妨害を受け、悪戦苦闘したわりに残念な出来に終わった。慣れない作業にぐったりと疲労を感じながら「生活のアマチュア」という言葉が脳裏に浮かぶ。生まれてから干支を4周もしたのに、生活のプロには到底なれない。普段はやりたいことだけやって適当に暮らしているが、年末年始にはこうやってまともらしいことをしなければならず、本当はまともじゃないのでボロが出る。干支を何周したって、全然まともになんかなれない。周囲が揃って休むから休まなければならない雰囲気になるが、行ける場所もできることも限られるし、とにかく退屈な上、日常やりすごしているものと直面させられ、なにかと軋轢が生じる。そんなこんなで年末年始はやはりどうしても好きになれないのだが。 George Harrison - Ding Dong, Ding Dong Ring out the old, ring in the new. 正月のいいところは、昨日と今日の間に特別な線が一本引かれることである。この線が引かれることは年に一度だけ。そして、昨日までに積み重なった一年分の鬱屈や心配は…

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Year of the RAT (will be here again)

自分は子年生まれ。来年でとうとう4周である。ということは、もう一周すると還暦ということになる。還暦か……いや、さすがにまだそこまで思いを致すのは早すぎるのだが、自分は色々と無駄に先回りして心配する性格である。まあ干支一回り先のことは置いとくとして、目下の問題としては、とにかく寒すぎる。今朝は氷点下4度、元旦には氷点下6度まで下がる予報。何をするにも氷の冷たさを乗り越えなければならず、気力が出ない。近ごろは冬眠のことをよく思う。何も活動せず、何も思わず、何も消費せず、暖かくなって花が咲き始める春まで眠れたらどんなにいいだろう。身体も動かさず、感情も動かさず、物も動かさず。もちろん当ブログも春まで長期休載。 先日カワセミがいた池、昨日の朝は結氷 しかし冬眠制を採用していない人類として生まれたからには、凍りつく冬の間も生活費を稼ぎつつ何だかんだと活動していかなければならない。クリスマスになっても首を絞められながら年内に納めるべきものは何とか納めたが、年越しの案件もあり、近年にしては珍しく来年の2月までスケジュールが入っている。有り難いことだ。暮れ正月、世間と一緒に休んだところで、やりたいことなど今は何ひとつ思いつかないし、正月休みが明けてもやること何もないかも、と漠然とした不安感に苛まれながらぼんやりしているぐらいなら、暮れ正月も仕事をしている方が全然ましである。 今年も例年と同じように、帰省ラッシュのニュースを横目で見ながら、年末つまんね、と回文を独りごちつつ、しんとした気持ちで…

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誰も知らない私の悩み カワセミは知っている

「Nobody Knows the Trouble I've Seen」はいわゆる黒人霊歌のひとつで、何かといえば自分の脳裏に浮かんでくる大事な曲。誰も知らない私の悩み。イエス様だけが知っている、と歌われることも多いようだが、自分がよく聴くサム・クックのバージョンではこのくだりは歌われない。自分は神に帰依しているわけではないので、神様だけは自分のことを何でもかんでも知ってくれている、と信じることはできない。誰にも言ったことのない、ここにも書かない、誰も知らないことは、誰も知らないまま消えたり、墓場まで持ち込まれたりするのだろう。墓場から先のことは、そのときになってみないと自分には何とも言えない。 Sam Cooke - Nobody knows the trouble the i've seen この曲はメロディーが美しいのでジャズインスト版も非常に好きで、生涯大切に思うだろうハンク・ジョーンズ&チャーリー・ヘイデンの演奏、そして最近知ったレッド・ガーランドの演奏と、色々書きたいことがかねてからあるのだが、今日は音楽話が書けない。目の前のことしか見えない状況である。少しひまな期間があったりすると、先々の仕事を無理してあれこれと入れてしまう。先方から強制されたわけではない。予定を入れる時点では、これぐらいなら大丈夫だろう、と見込みを立てて無理なく入れたつもりなのだが、そこに人間心理のバイアスが働くのか、現実に取り組んでみてはじめて、見込みが楽観的すぎたと悟る。さ…

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