インド日記2013年7月:ナーシクのワイナリーで山梨にいる気分になる

日本にいても、ふとした場所でインドの光景を思い出すことがよくある。人工物の少ない場所では特にそうだ。山道などを車で走っていると、ここはプネ近郊で何度か走った山道を思い出す、ここはゴアに抜ける途中に通ったカルナータカ州のあの道そっくりだ、とインド各地にしょっちゅうワープしてしまう。ブドウの産地に行けば、この日記に書いたナーシクを思い出す。インド時代、ナーシクに行ったときには逆に、日本の山梨にワープしていたようだ。インド国内で行くインド旅行は楽しかった。 2泊3日でナーシク観光に行ってきた。ムンバイから車で4時間ほどのナーシクは、マハーラーシュトラ州でムンバイ、プネに続いて3番目に大きな都市で、ヒンドゥー教の大祭クンブ・メーラーが12年おきに開催されるほか、ワインの産地として有名。前に住んでいたフラットのオーナーはナーシクにワイナリーを持っていて、しょっちゅうムンバイとナーシクを往復していた。ムンバイとナーシクを結ぶ国道3号線の沿道は雨期ならではの美しい緑の景色。 ナーシク中心部、川沿いのお寺が集まる場所にあるガート(沐浴場)は、いかにもインドなミニ・ヴァラナシという感じの場所だった。聖なる水で沐浴しに来た人、ただ水辺でボーッとしに来た人、布一枚だけまとったヒンドゥー行者、いろんな人々で賑わっていた。川辺に腰掛けてインド旅行者気分を味わう。 ガートのそばには野菜市場が出ていて、ムンバイの半値以下の価格で新鮮野菜がたくさん売られていた。 ナーシク一番の見ど…

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インド日記2011年4月:異国の新居で大震災を思う

2011年3月11日に起きた大震災を受けて翌月に書いた日記。もと暮らしていた場所で大きな苦難が起きているのに、自分は別の安全な場所にいて共有できないもどかしさを書いている。2020年4月現在、今度は世界中で同時に感染症という苦難が起きているが、やはり国や地域によって状況がだいぶ違うし、個人個人の事情も違うし、同じことを同じときに体験しているようでも人それぞれなのだと思い知る。先日も書いたし、当時からすでに書いていたようだが、各自の持ち場で精一杯できることをやるしかない。互いに余裕のない状況に思いを致しつつ。どういう環境でどういう事情があって、どういう行動を選ぶのか、どういう選択をせざるを得ないのか、それぞれ置かれた状況によって違うのだから。 最後の一文は完全に外国人目線で書いているが、東日本大震災から来年で10年、日本は本当に見事な復活を遂げたんだろうか。 3月1日、4年半住んだ部屋から荷物を運び出し、同じ地区の西側にある新しい部屋に引っ越した。新居での暮らしも落ち着きつつあった3月11日に、元お隣さんからの電話で知った日本の大災害。 毎日、ネットのニュースから目が離せない。直接の被災地や原発周辺の状況はあまりにも厳しくて言葉が出ない。かつて住んでいた東京でもいろいろな影響が出ている様子をネットで知ったり家族知人から聞いたりして、たまたま外国にいて何の影響も受けていない自分は複雑な気持ちになっている。自分が何の役にも立つことができない、という無力感ももちろんあるし、日本ではみんな大変…

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インド日記2007年2月:オクラと鰹節のパスタ

インド生活においてもパスタは欠かせなかった。インド料理は大好きだけど、毎日のこととなると作るのも食べるのも大変で到底無理だった。近所では美味しいノンベジ食材(肉や魚は、非菜食主義ということで総称してノンベジと呼ばれていた)が手に入りづらく、必要に迫られて野菜だけの料理を作るようになって、肉や魚介のうまみに頼れない状況で料理の腕は鍛えられたと思う。この日記に登場するオクラのパスタは、帰国してからもよく作っている。日本ではインドみたいにオクラを安く大量に買うことはできないが、スーパーで売っている冷凍の刻みオクラがそのまま使えることを発見し、もっと手軽にちゃちゃっと作れるようになったのである。鰹節は日記に書いたほど不可欠ではなくて、オクラだけでも十分に美味しい。当時は日本の食材が恋しくてたまらなかったのだ。バターも今は使ってない。 ムンバイでの暮らしにスパゲティは欠かせない。日本であらゆる国の料理をとっかえひっかえ食べる生活に慣れきっていたので、こちらでもインド料理どっぷりになることはできない。インスタントラーメンに炒め野菜を盛ったり、日本から送ってもらったそうめんやひやむぎを茹でたり。中でも、ここで割と容易に手に入る食材でおいしく作れるもの、ということでスパゲティを頻繁に食べる生活になっている。毎日ニンニクばっかりスライスして炒めている気がする。 最近のお気に入りメニューが、オクラと鰹節の和風スパゲティ。オリーブオイルをとろ火で熱して、ニンニクを焦げないよう注意しながらできるだけ長時間炒め、パ…

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